監督10年目となる来季は、栗山英樹監督にとって正真正銘の正念場となる(写真:AP/アフロ)

 来季は正念場と言い切って間違いない。北海道日本ハムファイターズを率いる栗山英樹監督のことだ。今オフ、大方の予想を覆す形で来季も引き続き指揮を執ることが決まり、留任となった。

 来季で栗山体制の長期政権は自身の持つ球団最長記録を更新し、10年目を迎える。2012年の就任1年目でリーグ優勝を果たし、2016年にはリーグ優勝と日本一に輝いた。ただ、これまでの9年間で3位以上のAクラス入りは5回を誇るが、昨季、今季と2年連続の5位に沈んでいる。昨オフには球団フロントへ進退伺を提出した経緯のある栗山監督だけに自ら辞意を申し入れるのではないかとの見方も出ていたが、結局スンナリと続投が決まった。

「栗山監督続投」にファンからはブーイング

 17日に東京都内の日本ハム本社でシーズン報告を行った際、畑佳秀オーナーから続投要請を出されて受諾した栗山監督は1年の契約延長で合意。メディアの取材に対して「もう1年という話をいただいて本当に自分でいいかと考えた」と口にし「9年間でこんなに悔しかったシーズンもなかったので、自分が何をすべきか考えたつもりだ。初めて監督をやると言った1年目に戻ってもう1回、すべてをかけてと思っている」と初心に立ち返ってまい進していく決意を新たにした。

 ところが、日本ハムのファンの多くは歓迎していないようである。ネット上を見ても、栗山監督の続投に苦言を呈する声が大勢を占め、その中にはかなり辛らつなコメントも散見される。結果が出ない栗山野球に愛想を尽かし、多くのファンも心が離れつつある。

 実際に今季は本拠地・札幌ドームの入場者数も超低空飛行が続きっぱなし。コロナ禍において観客の人数が制限された中でも、チケットはさばけずに売れ残って連日に渡り「閑古鳥」が鳴くことも珍しくなかった。これだけ弱ければ応援しに行く価値もない。北海道にはそういうドライな姿勢を貫くファンが多く、球団側もマンネリ感漂う栗山ファイターズの急速な人気低下にかなり頭を抱え込んでいるようだ。