訪米したケニアのケニヤッタ大統領と会談したバイデン大統領(2021年10月14日、写真:AP/アフロ)

(古森 義久:日本戦略研究フォーラム顧問、産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 アメリカのジョセフ・バイデン大統領が外交、内政ともに失態や誤算を重ね、就任以来の最低の支持率となった。日本にとっても同盟国のアメリカの現政権の錯誤は重大なマイナス要因となる。

 だから日本はアメリカ、そしてバイデン政権のよりよきパートナーであることに努めるべきだが、同時にバイデン大統領がいまどれほど追い詰められた苦境にあるかを正確に知っておくことも必要だろう。

 私はバイデン政権のこの種の失墜を予測する『アメリカの悲劇!』(ビジネス社)という書を今年(2021年)4月に世に出した。副題は「『黒い疑惑』にまみれたバイデン政権の奈落」、帯には「決断できない最弱の大統領。日本を国難に陥れる」と書かれていた。当時としてはバイデン大統領に対して厳しすぎるような筆致だった。

 だがそれから半年、この10月の時点でバイデン大統領の実際の失態やアメリカでの酷評をみると、私の予測は的中したと思えるのだ。自画自賛のような言辞ではあるが、国際情勢をみる目、とくにアメリカでの動きを認識する感覚ということで、この半年前の予測と現在の状況とを重ねあわせてみたい。