それが、ひとつの強烈な体験でなくとも長期に繰り返される心的外傷によって、同じ症状が現れることがずっと指摘されてきた。その典型が児童虐待の現場だ。児童虐待には、身体的虐待、心理的虐待、それに親から放って置かれるネグレクトなどがあるが、こうした状態が長期に及ぶことによって、フラッシュバックや乖離、パニック障害などPTSDと同じ症状となって現れる。

国民の批判が眞子さまを複雑性STSDに追い込んだのか

 私がこのことを知ったのは、発達障害の取材だった。この症状が実は発達障害のADHD(注意欠如・多動性障害)と重なる。だから、専門家の中には虐待が発達障害の原因となるとする見解もあり、複雑性PTSDとして認知すべきとの声が挙がっていた。

 それがようやく世界保健機関(WHO)の認定する「国際疾病分類」の最新の第11回改訂版(ICD‐11)で、「複雑性PTSD」として国際的診断基準に正式に認められたのが、3年前の2018年のことになる。

 眞子さまと小室さんが婚約会見を開いたのは、2017年の秋のことだ。つまり、後付けの診断結果だ。