中国・北京のコンビニで売られている呉亦凡(クリス・ウー)が表紙のファッション雑誌(2021年7月20日、写真:AP/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

 中国芸能界で7月ごろから、次々と芸能人の「不祥事」が発覚し、官民あげての大バッシングが起きている。

 まず騒ぎになったのが、元EXO(韓国アイドルグループ)メンバーで、微博(中国SNS)フォロワー5000万人を誇るカナダ国籍の中国人スター、呉亦凡(クリス・ウー)の強姦容疑逮捕事件である。呉亦凡は「僕のミュージックビデオに出してあげる」などと甘い言葉で女優の卵やファンの女の子たちに近づいて、食い散らかしていたらしいが、その被害者たちがSNSでクリスの悪行を告発。7月17日にはネットで著名な女性インフルエンサー、都美竹が被害者を代弁する形でクリスへの芸能界引退を勧告する告発状を突き付け炎上し、7月31日にはついに公安当局がクリスを強姦容疑で逮捕した。

 最初、これは単独の事件かと思われたが、続いて司会者としても活躍しているタレント銭楓(チェン・フォン)も、デートレイプの被害者を名乗る女性からのSNSでの告発を受け、大バッシングされた。

 さらにピュアなイメージで人気を博していたシンガーソングライターの霍尊(ヘンリー・ホー)が、やはりかつて付き合っていた女性から、その乱れた女性関係や不実な言動を告発されて大バッシングが起きた。