フランコ・ゼフィレッリ監督の『ロミオとジュリエット』(写真:Album/アフロ)

「人生第2幕」という言葉がある。人生第1幕はこの世に生まれて親兄弟と過ごす時間、人生第2幕は赤の他人だった二人が結婚して家庭を築く時間である。

 2つの違いは宿命と選択だ。第1幕は自身では選択できない宿命で、第2幕は自身で選択する。

 本人の選択が優先される今の時代、「ロミオとジュリエット」は滅多にないが、北朝鮮の特権階級は結婚相手の選択でも制約を受けており、「隠された結婚」という意味で「ステルス結婚」という造語が生み出されている。

 特権階級のステルス結婚とはどういうものなのか──。北朝鮮の裏側を描く「北朝鮮25時」。今回は、北朝鮮の特権階級の結婚について。過去分は以下をご覧ください。

◎「北朝鮮25時」(https://jbpress.ismedia.jp/search?fulltext=%E9%83%AD+%E6%96%87%E5%AE%8C%EF%BC%9A)

(郭 文完:大韓フィルム映画製作社代表)

 出身階級を重視する北朝鮮では、同じ階層に属する者同士で生きていく。特権階級は特権階級と、庶民層は庶民層と結婚する。まれにカラスとシラサギが交尾する突然変異の結婚もあるが、ほとんどが良い結末を見ない。

 北朝鮮でも、最近は結婚しないシングルが増えている。北朝鮮の人民保安省住民登録局が集計した統計資料を見ると、家庭を持つ世帯は10年前と比べて顕著に減った。結婚しないシングルもいるが、結婚登録を行わない事実婚も多く、その結果、出生率も著しく落ちている。

 北朝鮮の庶民層は生活が苦しいため結婚を忌避するが、生活の心配がない特権層でも結婚忌避が起きているのはなぜなのか。