今年の夏休みはステイ・ホームで家で東京五輪を観戦するのが安全だ

 残念ですが、予言した通りの展開になっています。

 第5波は当然のごとく拡大し、東京都で4度目の緊急事態宣言が発令されることが決定しました。

 8月22日までということは、7月23日から8月8日までの東京五輪後、さらに2週間「宣言」が続くという見通しです。

「宣言下五輪」ということになれば、従来ささやかれてきた「完全無観客」オリンピックの可能性が、一段と高まることになるでしょう。

 それは必然の選択というのが、あらかじめ記してしまいますが、本稿の結論です。

 そうなると、五輪はさらに1000億円規模の赤字増を抱え込むリスクに直面するわけで、五輪終了後、どのように帳尻を合わせていくことになるのでしょう?

 経済の問題は別論としましょう。

 ただ、いずれによらず人流が増えれば確実に感染は拡大し、様々な被害も大きくなります。東京都の毎日の感染者数は中長期指標で緩やかな増大を見せており、これはつまり付け焼刃で一両日中に減少などということは期待しにくいことを意味しています。

 なぜ政府は「緊急事態宣言」を再度発令したのか。その必然的な背景と、私たちがとるべき対策について考えてみたいと思います。

第4波の頂点より高い序盤の水準

 東京都で観測された最も多い1日あたりの感染者数が、いつ、何人であったか、ご記憶でしょうか?

 今年1月7日、2520人という数字が、最高記録になっています。1月前半は、1日あたり2000人を超える日も続きますが、やがて穏やかに減少して1月末には1日1000人台を割り込む日も出るようになった。

 このタイミングで、米国や英国と同様、ワクチン接種を徹底していたら・・・。

 という「もしも」の仮定も、実は五輪に関しては、辛口な予想しかできないのです。それは、ワクチン接種最優等生の一つであった英国での推移をみれば分かりやすい。

 順調に患者数が減少し、4月あたまには「もはやコロナではない」という空気が出始め、G7で「終息宣言」と意気高かったはずなのに、5月中盤からじりじりと患者数が上昇、6月に急坂を駆け上がり、いまや1日3万人に手の届く、猛烈な勢いでの「感染再拡大」。

 もしも日本で、2月から猛烈なワクチン接種が行われていたとしても、夏場には大きな波がやってきたのは間違いありません。