韓国の書店に並ぶ日本のマンガの数々(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

(田中 美蘭:韓国ライター)

 世界の映画シーンを席巻している劇場版「鬼滅の刃」。ここ韓国では、反日市民団体や「旭日旗糾弾」でおなじみの大学教授、ソ・キョンドク氏が「旭日旗と彷彿とさせる」と主人公の竈門炭治郎の耳飾りのデザインを騒ぎ立てたことで、デザインが変更されるなどミソがつけられてしまった感がある。

 それでも、「鬼滅の刃」に対する話題と関心は大きく、現在までに197万人を動員するなど快進撃を続けている。コロナ禍の中、座席数を減らしていることを考えれば、大ヒットと言っていいだろう。Naverの映画評価でも、10点満点中で9.62という高評価を得ている。

韓国語版の「鬼滅の刃」や「ジョジョの奇妙な冒険」(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

 その中で、「ポスト鬼滅」として注目を集めているのが「呪術廻戦」だ。文在寅政権の下、No Japan運動による日本叩きを続ける反日団体がある一方、日本の漫画作品は根強い人気を誇っている。

 韓国の大手インターネット書店、Yes24の5月1週の週間ランキングによると1位に「呪術廻戦15巻」、2位に「呪術廻戦小説版」、4位に「鬼滅の刃23巻」と「呪術」と「鬼滅」がベスト5にランクインしている。

 韓国でも5月5日は「子供の日」の祝日であり、子供向けのプレゼント需要が高まる時期である。それがランキングに反映されたという見方もあるが、いずれの作品も好評価で、ファンからの期待度が高いことがうかがえる。この勢いを見ていると、韓国における日本製品の不買運動や旭日旗騒動などは別の話のように思える。