(写真:アマゾンHPより)

 米アマゾン・ドット・コムは5月12日、米バージニア州アーリントンで開発を進めている第2本社(HQ2)第2工期計画案に関する新たな資料を公表した

第2本社地区で新たに1900人採用

 敷地内に「フォーレスト・プラザ」と「サウスファーンストリート・プラザ」と呼ぶ2つの広場を設ける計画で、その完成予想図を公開した。歩行者重視の設計のため地域の人々にくつろいでもらえるという。人工滝や植栽などで豊かな水と緑を表現しており、自然を感じられる空間だとしている。小売店が出店するほか、地域住民がイベントを開催できる場所も設けるという。

 アマゾンは併せて、同地域で新たに1900人を採用すると明らかにした。現在、第2本社周辺で1600人を雇用しており、今後社員数は2倍以上になる。採用部門は、AI(人工知能)アシスタントの「アレクサ」やクラウドサービスの「Amazon Web Services(AWS)」、直営スーパーマーケット「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」の出店事業など。

 同社はアーリントン地区の「ペンプレイス(PenPlace)」と呼ぶ敷地に、3棟の22階建てオフィスビルと、「ヘリックス(The Helix)」と呼ぶ高さ約107メートルのオフィスタワーを建設する計画。これらを合わせたオフィス空間の総面積は約26万平方メートル(東京ドーム約5.6個分)になる。

 また、ペンプレイスの南にあるメトロポリタンパークと呼ぶ、約20万平方メートル(東京ドーム約4.2個分)の開発区に2棟の22階建てオフィスビルを建設中。これらアーリントンの施設で今後10年間に2万5000人を雇用し、25億ドル(約2740億円)超を投資する。

第2本社、25年に完成の見通し

 アマゾンは18年にバージニア州アーリントンを第2本社の立地場所に選んだ。当初はニューヨーク市クイーンズ区のロングアイランドシティーとアーリントンの2カ所に第2本社を設置する計画だった。2つの第2本社で、計5万人を雇用し、計50億ドル(約5500億円)を投資するとしていた。だが、ニューヨークでの計画は地元住民や議員などの猛反発を受けて断念した。