アマゾン フルフィルメントセンター(写真:AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムの米アラバマ州の物流施設における労働組合結成の是非を問う従業員投票が反対多数で否決されたと、米CNBCロイターなどが4月9日に報じた。

組合側「アマゾンは従業員の選択の自由に介入」

 同物流施設の従業員数は約5800人。投票総数3215票(投票率約55%)のうち、反対は1798票、賛成は738票だった。

 同施設では一部の従業員が賃金などの待遇改善を求めて労組結成を呼びかけ、2021年2~3月に郵便投票が行われた。代表者らは、米国内で初のアマゾン労組が誕生し、新たな時代が開かれると期待していたという。

 結成を支援していた小売り産業の労組「RWDSU」は今回の結果を受け、従業員投票を管轄した全米労働関係委員会(NLRB)に不服を申し立てる考えを示した。

 RWDSUは声明で、「アマゾンは混乱や強制、報復などの雰囲気を作り出して従業員の選択の自由に介入した。投票結果は無効にすべきだ」と述べた。

アマゾンは歓迎の声明、組合側の主張に反論

 一方、アマゾンは4月9日、ブログで「最終的に従業員の声が反映されたことをうれしく思う」と歓迎する声明を出した。「労組側が『アマゾンが従業員を脅して反対票を投じるよう仕向けた』と主張することは容易に想像できるが、それは事実と異なる」としRWDSUに反論した。