(金 愛:フリージャーナリスト)
文在寅政権後の有力な次期大統領候補の1人である与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)代表が、3月5日、江原道春川(チュンチョン)市の中央市場で、卵を投げつけられた。このニュースに接した国民はSNSで文政権と李代表を嘲笑い、「ざまを見ろ」「痛快だ」という反応を見せた。
2022年3月に大統領選挙を控える韓国。文大統領は任期最後の年に、国政掌握に失敗した「レームダック(死に体)化」をさらしている。世論調査で文大統領と共に民主党の支持率はかろうじて30%を超える程度で、文大統領を支持してきた30~40代の政権離れが顕著である。
支持率低下に対応するため、文大統領は外に向かって反日を叫び、国内では抗日を掲げて政権を掌握しようとしている。一方、日韓関係改善の「出口戦略」を目指す文大統領は今年になって日本への対話を申し入れると同時に、共に民主党は「親日派の所有する土地を没収する」という手口で「親日派狩り」を続けている。「二枚舌」と「嘘」を直す気は毛頭ないらしい。
李洛淵代表は、3月5日午後4時29分頃、春川市中央路にある中央市場に入った途端、待ち構えていた「春川中島遺跡保護本部」の女性会員Aさん(50代)に卵を投げつけられた。李代表の白いマスクに卵黄がべたりと付き、着ていたスーツにも卵液が飛び散った。李代表は足を止めてハンカチで卵液を拭くと、マスクを替え、上着を着替えた。
李代表に卵を投げたAさんは、「古代遺跡のある土地に観光地を作る」という計画に反対する団体に所属していることが明らかになった。Aさんは李代表が処罰を望まなかったため現行犯逮捕を免れた。韓国メディアがこのニュースを報道すると、国民はSNSで「ダチョウの卵を投げつけてほしかった」「文大統領に当たればよかったのに」「久しぶりに国民の鬱憤が晴れた」などの反応を見せた。おおむね「卵投げつけ事件」を歓迎するムードである。