韓国の首都、ソウル特別市が最近まとめた2020年末時点での統計で、ソウルの人口が1年間で約10万人減少し、32年ぶりに1000万人を割り込んだことが分かった。
少子化、不動産価格の急騰に加え、新型コロナウイルス感染症の流行で離職したり、在宅勤務が増えたことなどが「ソウル脱出」を加速させたとみられる。
人口構造の変化が、4月のソウル市長選挙に影響を与えるとの見方も出ている。
ソウル市によると、2020年末時点で、ソウルの人口が991万1088人だった。前年比で9万9895人、1%減少した。
五輪開催の1988年に1000万人に
韓国人が966万8465人で、6万642人減少し、外国人も24万2623人で、3万9253人減少した。減少した外国人のうち3万2000人は中国人だったという。
ソウルの人口は、日本の統治下時代には100万人前後だった。1960年に245万人になり、その後、高度経済成長の時代に急増した。
1970年に543万人。1980年に836万人となり、ソウル五輪を開催した1988年に1029万人に増え、1000万人台になった。
その後、ソウルの人口は1000万人台を維持しながら周辺の京畿道(キョンギ)道や仁川(インチョン)とともに首都圏の人口増加が続いた。
ソウル市の人口データベースを見ると、1992年をピークにソウルの人口は増加していない。それでも微減にとどまっていたが、2010年以上、減少幅が大きくなり始める。
さらに、ここ5~6年は、はっきりと減少に転じていた。2014年以降のソウルの人口は以下の通りだ。
2014年 1036万9593人 -1万8462人
2015年 1029万7138人 -7万2455人
2016年 1020万4057人 -9万3081人
2017年 1012万4579人 -7万9478人
2018年 1004万9607人 -7万4972人
2019年 1001万983人 -3万8624人
2020年 991万9895人 -9万9895人
2015年以降、人口の減少が加速しているのだ。