© DANS LE SENS DE LA VIE 2017

 Amazonのジェフ・ベゾスやGoogleのラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリンら米大手IT企業の創業者。Wikipedia創始者のジミー・ウェールズ。日本やアジアで不動の人気を誇る経営思想家のピーター・ドラッカー。そしてアンネ・フランクやジョージ・クルーニー、英国王室のウィリアム&ヘンリー王子までも。この錚々たるメンバーにはある共通点がある。それは「モンテッソーリ教育」を受けた人たち、ということである。

 日本では、異次元の天才、藤井聡太棋士が3歳の時、「モンテッソーリ教育」を取り入れている幼稚園に入園したことが知られており、「藤井聡太棋士のように育てたい」と願う親たちがその教育法に大いに興味を抱いている。一方で、たくさんの不安や疑問を持っている人も多い。高額なのではないか。近くに幼稚園や学校がない。何歳から始められるのだろうか。

始まりは貧困層のための保育施設

「モンテッソーリ教育」はもともとセレブのものではなかった。マリア・モンテッソーリ博士は女性差別の残る19世紀のイタリアで、初めて女性として医学博士号を取得。日ごろから貧困層の子どもたちに接してきた博士はローマの貧しい地区に「子どもの家」という施設を開いた。3歳から6歳まで50名を受け入れて、精神科医と人類学者の観点から、画期的な教育法を確立した。

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『モンテッソーリ 子どもの家』は北フランス、ルーベにあるフランス最古のモンテッソーリ学校の幼稚園のクラスに2年3カ月にわたって密着したドキュメンタリー。現在、140カ国以上の国で普及しているモンテッソーリのメソッドとは果たして、どういうものなのか、実にわかりやすい内容になっている。