デビュー最速で紅白歌合戦に出場したNiziU。デビュー直後は街中の広告をジャックした(写真:西村尚己/アフロ)

韓国内で実力不足と評されるNiziU

 2020年12月2日に正式にデビューして早々、紅白歌合戦に出演して話題となった女性グループ「NiziU(ニジュー)が、4月7日に両A面シングルとなる2ndシングル 「Take a picture/Poppin' Shakin'」をリリースすると発表した。NiziUの韓国での評判も好調なのだろうか?

 日韓共同のオーディション番組で誕生した女の子9人組のアイドルグループ「NiziU」は、韓国の有名な歌手であり、ワンダーガールズやTWICEを送り出したJYP(パク・ジニョン)氏がプロデュースしたこともあり、当初から音楽関係者やファンの注目を浴びていた。

 NiziUの韓国内の認知度は日本より低い。韓国デビューをしていないからだ。パク・ジニョン氏は、韓国でデビューしていない理由として「反日感情というより韓国内での認知度が低いから」と話しているが、韓国はテレビで日本の番組のライブ放送を禁止していた国である(現在も韓国のテレビ局は基本的に日本のコンテンツに手を出さない)。全く関係ないとは言い切れない。

 日本の12月に正式デビューしたばかりで、プレデビュー段階で韓国内の認知度を理由とするには無理がある。

 そんな中、NiziUが新曲制作のため極秘裏に渡韓した。NiziUの渡韓は韓国内でも報道され、一部のネットユーザーは「当然、隔離するんでしょ?」「日本のアイドルと言いながらスタッフは皆韓国人」「韓国を拠点にするなら日本でオーディションする必要あったの?」など反日感情をぶつけるコメントをつけた。

 韓国のアイドルは歌やダンス、生活態度などすべてにおいて完璧さが求められる。韓国アイドル候補生は徹底した訓練を受け、実力が認められた者だけがデビューできる。NiziUに対し、韓国内で「韓国特有のK-POPアイドル養成ノウハウを簡単に日本に流用するのは韓国で頑張っているアイドル候補生に対して失礼」という批判があったのも辛口コメントの一つだろう。

 韓国のネットユーザーは、「NiziUはAKB48などの日本のガールズグループに比べれば歌やダンスの実力はあるかもしれないが、韓国でアイドルとしてデビューするには実力が足りない」と評価している。

 2020年は日本で第4次韓流ブームが巻き起こった年だった。映画「パラサイト 半地下の家族」公開後、コロナ禍で在宅時間が長くなり「愛の不時着」「梨泰院クラス」が人気を集めるなど、韓国エンタメの注目度が高まった。

 K-POP色が強いNiziUの人気は、パク・ジニョン氏がプロデュースするK-POP仕込みの歌やダンスのみならず、ドラマを通じた韓流ブームが後押ししたことも否定できない。