米アマゾン・ドット・コムが2月2日に発表した2020年10~12月期の決算は、売上高が前年同期比44%増の1255億5500万ドル(約13兆1700億円)となり、四半期として初めて1000億ドルの大台を突破した。純利益は同2.2倍の72億2200万ドル(約7580億円)で、こちらも過去最高を更新した。
直営ネット通販46%増、出店者向け57%増
直営のネット通販事業の売上高が同46%増の664億5100万ドル、出店者からの手数料および物流サービス収入が同57%増の273億2700万ドル。
「ホールフーズ・マーケット」などの実店舗の売上高は同8%減の40億2200万ドルだった。ただ、実店舗のオンライン販売(店頭受け取りサービス含む)の売り上げは直営ネット通販の項目に計上しており、実態はこれとは異なる。
また、クラウドサービス「AWS」の売上高は同28%増の127億4200万ドルだった。世界正社員数は129万8000人(期間従業員を除く)で同63%増加した。
7~9月期にCEO退任、取締役会長に
アマゾンは同日、創業者のジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)が21年7~9月期にCEOを退任して取締役会長となり、クラウド部門AWSを率いるアンディ・ジャシー氏がCEOに昇格すると発表した。
ベゾス氏は声明で次のように述べた。
「アマゾンとは発明で成り立っている会社。我々は、まともではないことを一緒にやってきた。だがそれは後に常識になった。『カスタマーレビュー』や『1クリック購入』、急ぎ便の『プライム』、『レジなし決済コンビニ』、『気候公約』、電子書籍の『キンドル』、AIアシスタントの『アレクサ』、『マーケットプレイス』、『クラウドサービス』、『キャリア・チョイス』(従業員向け技能向上プログラム)など、数多くを先駆けて開発した」
「正しいことをすれば、驚くべき発明は数年後に日常になる。人々はあくびをするようになるが、それこそが発明家が受け取れる最大の賛辞だ。今日のアマゾンの業績は長年積み重ねてきた発明の結果。今のアマゾンはこれまでで最も独創的であり、(CEOの)移行に最適な時期だ」