SUVがついにセダンを逆転
2020年の車形別販売台数を見ていくと、乗用車は前年比6.0%減の2017.8万台、商用車は同18.7%増の513万台でした。

特筆すべきは、乗用車のうちスポーツタイプ多目的車(SUV)の販売台数(946.1万台)が、セダンの販売台数(927.5万台)を初めて追い抜いたことです。かねてから中国はSUVの人気が高い市場でしたが、名実ともにSUVが市場の柱となったことを意味します。
また商用車のうち、トラックの販売台数は同21.7%増の468.5万台と急増しました。その理由として、環境保護規制の施行によって買い替えが進んだことに加え、コロナ下でネットショッピングが増え、運送需要が高まったことなどが指摘されています。
日系のシェアが急拡大
続いてメーカー別の販売台数を見ていきましょう。1~3位は独フォルクスワーゲン(VW)および米GMの系列メーカーが不動の座を占め、4位には、中国系メーカーの吉利汽車が入っています。

日系メーカーは、5位の東風日産が前年比5.7%減でしたが、その他は8位の東風本田(同6.3%増)、10位の広汽本田(同4.0%増)、11位の一汽豊田(同6.8%増)、12位の広汽豊田(同12.2%増)など、市場が縮小する中で揃ってプラス成長を達成しました。
日系メーカーが好調だった背景については、以前の記事(「コロナ終了? 中国自動車市場が大復活を遂げていた」)でも指摘した通り、日本車の性能に対する認知が広がっていることに加え、消費者の自動車購入金額が上昇し、日本車が自動車購入時の選択肢に入るようになったことが考えられます。
こうした好調ぶりを受け、中国自動車市場における日系メーカーのシェアも急拡大しています。2020年における日系メーカーのシェアは同2.3ポイント増の24.1%増となり、同0.5ポイント増の25.5%だったドイツ系メーカーとの差を一気に縮めました。その差は1.4ポイントしかなく、外資系シェア・ナンバーワンの座も射程内に収めつつあります。
