大学入学共通テストの試験会場で、マスクから鼻を出しているのを再三注意されながら、それを頑なに拒否して、受験そのものが失格となった男性が逮捕されたという報道がありました。
この事件に関して、何の深い洞察も顧慮もないマスコミの(例によって各社デスクの)端折りすぎで訳の分からない記事が出回っており、目を覆わざるを得ません。
本稿では、この件について一般にマスコミでは決して報道されない種類の「詳細な可能性」を検討し、「おもいやり」について、考えてみたいと思います。
報道されない「一番の被害者」
もしあなたが、何らかのテストなどを受けていて、隣に座った人がおかしな行動をとっており、大変に気になったらどうしますか?
静かに挙手をして、試験監督に、隣の人が迷惑なのですが・・・とクレームする可能性が考えられると思います。
入試に関しては、あらゆることが守秘に抵触しかねないので、ここには公開情報以外は確定的な事は記しませんが、そのようなクレームが出る可能性は十分考えられます。
そのような場合、試験監督者は適切に対処し、まず試験室内で問題状況の解決に努めることでしょう。
こういう騒動が起きた時、第一の被害者は、周りの受験生たちで、これについてはそれなりに報道もされるように思います。
しかし、決して報道されないのは、受験会場を支えるスタッフにかかった莫大な迷惑、不必要なワークロードです。
これについて、公共性の観点に立って補足しようというのが、本稿の基本的な趣旨になります。