テーマ4 投資は生活スキルのひとつ

 柳谷 今回は、投資を始めるときの心構えを話してきました。冒頭でもお話ししましたが、新型コロナをきっかけに自分のことをじっくり考える時間ができたのではないかと思います。生活する、働く、将来を考えるといったことが具体的に迫ってきたともいえます。さらに、他人のことを考える機会も増えたと思います。物理的に距離を置かなくてはならない状況だからこそ、他人とのつながりの大切さを感じたこともあるでしょう。

 自分の成長、将来の夢、その先の家族のためといったことを考えたとき、生活スキルとして大切なお金を活かすことが必要なのだと多くの人が感じているのではないでしょうか。

投資は日常生活とは異なる時間軸で管理する

  私も出勤や出張の機会が大幅に減り、いままで後回しにしてきたことを考える時間ができたように感じます。働き方や他者との付き合い、つながりももちろん、お金の問題についてもより真剣に考えるようになった気がします。

 20年4月以降、株式市場は堅調に推移してきています。この間に投資を始めた人も多いと思いますが、投資を続けると必ず損をする局面がくると思います。そのようなとき、生活資金を確保するために株式を売却し現金化しなくてはならない状況になってしまうと、長期投資をしたくても続けられなくなってしまいます。

 こうなってしまうと本末転倒なので、株式のように値動きの大きい資産に投資をする場合は、生活に影響のない範囲で、「別会計」の運用をするのが良いと思います。この「別会計」の運用は、日常生活とは異なる時間軸で管理し、5~10年くらいの単位で自分の成長や将来の夢に近づけているのかを見直すくらいがちょうど良いでしょう。

 繰り返しになってしまいますが、投資は世界経済の成長に参加する最も直接的な手段であり、その参加障壁はますます低くなってきているように感じます。まずは少額でも良いので、資本市場と付き合うということがいかにエキサイティングなものかを実感してほしいと思います。

濱氏