あおぞら投信取締役会長の柳谷俊郎さんとディメンショナル・ジャパン・リミテッドの濱幸太郎さんによるリモート対談の第2弾。今回は、2020年の振り返りとともに、投資を始めるときの心構えを語ってもらいました。資産運用の最前線で働くお二人が投資を始めたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
あおぞら投信
取締役会長
柳谷 俊郎さん
1985年日本債券信用銀行(現:あおぞら銀行)入行。国際証券部、ロンドン支店、市場証券部などにおいて内外債券市場業務に長年従事。その後、リテール部門で投資信託の企画・開発に携わる。2014年にあおぞら投信を設立し、代表取締役社長を経て2017年7月より現職。週に1度は学生時代から続けているサッカーを楽しんでいる。
ディメンショナル・ジャパン・リミテッド
シニア・ポートフォリオ・マネジャー&バイス・プレジデント
濱 幸太郎さん
2012年Dimensional Fund Advisors(米国)入社、2013年より日本拠点勤務。株式、債券の運用を担当。前職はモルガン・スタンレー証券株式会社株式統括部でトレーディングのIT効率化に従事。シカゴ大学MBA修了。趣味はマラソンと野球のデータ分析。
シリーズ対談① ウィズコロナの世界で、これからの投資を考える
テーマ1 2020年を振り返って
柳谷 2020年を振り返るうえで、新型コロナウイルスによる世界の混乱を抜きに語ることはできません。これまでの生活様式が一変し、働くこと、お金のこと、将来のことを一人ひとりが考え始めた1年だったのではないかと思います。
アメリカの大統領選挙も注目を集めました。民主党のジョー・バイデン氏が勝利し、女性初の副大統領としてカマラ・ハリス氏、財務長官としてジャネット・イエレン氏が就任しようとしており、米国での変化も感じるところです。
このような「多様化」も含めて、社会の中ではこれまで以上に「適応力」が大切になってきているのだと思います。
濱 おっしゃる通り、「多様化」と「適応力」は関係が深いように感じます。女性の方を含む、さまざまなバックグラウンドを持つ人が活き活きと働くことができる社会は、より変化に柔軟に適応できるでしょう。結果として、より豊かになっていくのではと思います。
21年以降も、これまでにない大きな変化に適応しなくてはならない状況が続いていく可能性が高いと思われます。さまざまな角度から物事を考え、ベストな解決案を見つける重要性が増していくなかで、ダイバーシティ(多様性)がより重視されていくでしょう。日本でもダイバーシティが形式的なものにとどまるのではなく、新しいアイデア創出や成長の源泉につながる環境が整えばいいですね。