SNSの検閲と中国の言論弾圧は実質的に同じ

 習近平国家主席が領導する中国共産党の意思により、不当に収監された香港の民主活動家である周庭氏は、彼女のイメージする民主主義の理想として、「自分と異なる意見の人の言論の自由も守りたい」と語っているが、米国のリベラルエリートやIT企業が推進する検閲は、中国における全体主義的な言論弾圧と実質上、変わらない。

 だが、民主党や米リベラル派は周氏に、「検閲こそ民主主義だ」と示し、恥じることがないのであろう。民主党とツイッターなど米テック大手は、「反民主主義」において一心同体かつ一蓮托生だと考えざるを得ない。

 バイデン次期大統領は、米国民を広く包摂して分断の克服に乗り出そうとしている。だが、バイデン氏も民主党もテック大手の言論統制に反対せず、黙認することで事実上、弾圧を奨励している。「暴力からの安全」の名の下に、より広範な言論や政治参加の場を政敵から奪うという「包摂」「多様性」「団結」こそが、リベラルにとっての民主主義の「アップデート」であるからだ。

 次回は、ソーシャルメディアなど米テック大手の検閲の法律的・社会的なロジックと、そのトリックを詳しく分析して明らかにする。そして第3回では、米国における言論弾圧に関連した、日本におけるプラットフォームの検閲の実態について考える。