1989年11月、ベルリンの壁は崩れ去った(写真:CHUTE DU MUR BERLIN/GAMMA/アフロ)

 ソ連が崩壊してから、今年(2021年)で30年になります。それによって、「社会主義とはもはや過去のもの」と考えている人たちも多いのではないでしょうか。

 ただし、「なぜ社会主義が崩壊したのか」をしっかり捉えておくことは、今後の社会のあり方を考えるためにも重要です。

 というのも、社会主義が崩壊したからといって、それは「資本主義が成功した」とは必ずしも言えないからです。実際、現代社会では、連載の第51回でも論じたように、過度に進んだ金融化のために不平等性が拡大して、社会のあちらこちらに歪みが生じています。

 なぜ社会主義が崩壊したのかと問うことは、資本主義が崩壊しないためにも重要なことではないでしょうか。

高い経済成長率を示した社会主義国

 ロシア革命が起きたのは1917年のことでした。それから第二次世界大戦が終わるまで、社会主義国はソ連しかありませんでした。しかし、戦後になると、東ヨーロッパ諸国(ブルガリア、チェコ・スロヴァキア、東ドイツ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、ロシア、ユーゴスラビア)が軒並み社会主義化しました。

 そこから世界は、アメリカを中心とする資本主義陣営(西側)と、社会主義陣営(東側)とに分裂してしまいます。アメリカとソ連が現実に戦争することはありませんでしたが、社会主義陣営は、西ヨーロッパに大きな脅威となりました。