(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
この年末年始も新型コロナウイルスの感染拡大が止まらなかった。
この事態に、2日、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事が揃って政府に緊急事態宣言の発出を要請した。
大晦日の12月31日には、東京都の新規感染者が1337人と、一気に1000人を超えて過去最高を記録している。年明けの1月1日は783人、2日は814人、3日は816人と、高い水準で推移している。
しかも、1都3県だけで、全国の感染者の5割程度を占める。
単純に比較すれば、昨年の4月に感染拡大の「第1波」を受けて発出された緊急事態宣言の時よりも、首都圏をはじめ全国の感染者数は遙かに多い。全国の重症者数も1日の時点で716人と4月、5月の倍を超える。医療体制を整備してきたとはいえ、これでは医療崩壊も起きかねない。
ここで緊急事態宣言を出さずに、いつ出すのか。ここで出さなければ、緊急事態宣言の真価はどこにあるのか。
緊急事態宣言を出さない根拠
しかし今も、菅義偉首相は緊急事態宣言に慎重な構えだ。
昨年12月25日の記者会見でも、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長を引き合いに、発出には否定的な見解を示している。
「緊急事態宣言については尾身会長からも、今は緊急事態宣言を出すような状況ではない、こうした発言があったことを私は承知しています」