読売ジャイアンツの原辰徳監督。2014年12月撮影(写真:AP/アフロ)

 何となく「狼狽」しているように見えなくもない。今オフの巨人を見ていると、どうしてもそう感じてしまう。

 福岡ソフトバンクホークスに日本シリーズで2年連続となる未勝利のままの4連敗。セ・リーグV2を成し遂げたにもかかわらず、その余韻は完全に吹っ飛ばされてしまった。これがケチの付き始めだったのだろう。

DeNAからベテラン梶谷と井納を好待遇で獲得

 屈辱に浸る中、ストーブリーグでは早速来季に向けた大型補強へと動いた。横浜DeNAベイスターズから国内FA権を行使した梶谷隆幸外野手と井納翔一投手を電光石火で獲得した。セ・リーグのライバルチームから投打の主力2人の引き抜きに成功し、編成面も含めた全権を担う巨人・原辰徳監督も来季最終目標の打倒ホークスに向けて鼻息を荒げているかもしれない。しかし来年には梶谷が33歳、井納も35歳となる。年齢に加え、コンディションにも不安が残る。

 これらのリスクを承知していないとは到底思えないが、巨人はその梶谷に4年8億円、井納には2年2億円(いずれも推定)と目を疑うような大型の複数年契約を用意して招き入れた。14日に行われた2人のダブル入団会見に同席した原監督は満面の笑みを見せていたが、果たして本気で日本一奪回を成し遂げるための「チーム再建」につながると確信しているのだろうか。