10月25日、ドジャーズとのワールドシリーズ第5戦に出場した筒香嘉智選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来季は厳しい局面からのスタートを強いられそうだ。タンパベイ・レイズの筒香嘉智外野手のことである。

 球団のエリック・ニアンダーGMが来季の筒香の起用について一塁手としての起用を検討すると明かした。発展的なコンバートという見方よりは“苦肉の策”との感が否めない。残念だが、これは米球界の中でもほぼ一致した見方だ。

一塁手のポジションも安泰ではない

 横浜DeNAベイスターズから昨オフ、2年総額1200万ドル(約12億5000万円)の契約内容でMLB(メジャーリーグ)のレイズへ移籍した。“ハマの大砲”の異名を持つ29歳にレイズ側は大きな期待を抱いて迎え入れたものの、今季51試合で打率1割9分7厘と低迷。8本塁打、24打点と2部門ではチーム2位の数字を残したとはいえ、安定した成績を残したとはどうしても言い難い。

 チームはワールドシリーズ進出を果たしたが、ポストシーズンではカヤの外に追いやられるようになっていた。今年1月にセントルイス・カージナルスから移籍してきたランディ・アロザレーナ外野手が台頭し、リーグ優勝決定シリーズで新人野手としては史上初となるMVPに輝くなど大活躍を果たした。左翼も守れる長打力抜群のキューバ出身25歳が頭角を現したことで、ポジションが被る筒香の出番は激減した。

 新天地で迎えた今季は本職の左翼以外に開幕から三塁守備にもついたが、日を追うごとにヤンディ・ディアスやジョーイ・ウェンドル、マイク・ブロッソーら攻守両面で能力の高いユーティリティープレーヤーの豊富な層に阻まれ、次第に別の起用法へ活路を見出さざるを得なくなった。ポジションを複数こなせる上に高い打力も誇る選手が比較的多いレイズは「DH(指名打者)」も激戦区だ。