眞子親王(2月23日の天皇誕生日に、写真:REX/アフロ)

 眞子内親王が結婚への強い思いを語られたこと、父君の皇嗣殿下も結婚を容認されたことから、国民の大きな関心が集まっている。

 ただ、皇嗣殿下が「決して多くの人が納得し喜んでくれている状況ではない」と語られたように、冷ややかな関心である点が残念でならない。

 筆者も齢を重ね、この間に見聞してきた国際情勢の激変、中でも中国の国際法を無視したあまりにも赤裸々な行動が気になることもあり、日本の行く末を一段と気に掛けるようになった。

 世界の激震に耐え、日本がゆるぎない国家であり続けるためには、心柱としての天皇と皇室が健在しなければならない。

 そうした重みの皇室を、眞子様の結婚が揺るがし兼ねない懸念から、心からの祝意を表せないのが残念である。

大御心で包み込まれる大御宝

 天皇のお心を大御心というが、天皇はいつも「国靖かれ、民安かれ」とお祈りされている。したがって、大御心で包み込まれるものは日本という国家と、国家を形成する1億2千万余の大御宝と呼ばれる国民である。

 天災地変が起きないように、また外国との争いにならないようにとお祈りされ、日本の安寧と世界の平和を祈念されている。

 それでも不可抗力的に災害や争いが起きる。その場合は被害が少ないように、そして早急に復旧・復興して国民が幸せになるようにと願いを込められる。

 そのお気持ちを拝察し、お声を拝聴し、時にはそうしたお姿を拝見して、得も言われない勇気をいただく。

 戦後、中でも平成時代の上皇陛下は内外の戦災地を訪問されて国のために散華した御霊を慰霊され、被災して悲嘆にくれる被災者に寄り添って励まされるお姿をしばしば拝見した。