アップル ロゴ(写真:picture alliance/アフロ)

 米アップルが2021年初頭にスマートフォン「iPhone」やタブレット端末「iPad」などのOS(基本ソフト)でプライバシー保護を強化するとロイターや米CNBCが12月8日に報じた。

 ターゲティング広告を導入するアプリの運営会社に対し、個々のアプリごとに利用者の同意を求めるよう義務付けるという。

アップル幹部「追跡されている事実を知らされるべき」

 具体的には、ターゲティング広告の配信時に必要となる端末固有の広告用識別子「IDFA(Identifier for Advertisers)」をアプリが取得する際、ポップアップ画面を出して利用者に許可を求めなければならない。

 この同意オプションはこれまで、設定画面で一括して行っていた。今後はアプリを初めて開く際、必ず可否を利用者に尋ねる必要があるという。

 「他のアプリやウェブサイトでの行動を追跡されているユーザーは、その事実を知らされるべきだ。ユーザーを追跡したいのなら、明確な許可を得るべきだ」とアップルのソフトウエアエンジニアリング担当上級バイスプレジデントのクレイグ・フェデリギ氏は述べたという。

 また、同氏は、規則違反のアプリはアプリストア「App Store」から削除する可能性があるとも述べたという。

個人情報保護の姿勢鮮明に

 アップルはこの新たな規則を「iOS 14」と「iPadOS 14」の配信開始に合わせて今年9月に実施する予定だった。だが、「開発者に変更に必要な時間を与える」とし、延期していた。同社はこのときの声明で「アプリによる追跡の可否を利用者が選べるようにする」とし、プライバシーの保護を強調していた。