米最高裁判所(写真)判事の身贔屓な人事が実はドナルド・トランプ氏に不利に働いた可能性がある

 米国大統領選挙はバイデン候補の勝利が確実となりました。しかし、ドナルド・トランプ陣営は「敗北宣言」をまだ出していません。

 様々な「訴訟戦術」が繰り出され、各地で弁護人が匙を投げ出すなどの現象が起きていますが、トランプ側は気にせずこれを推し進めている。

 これに関連して米国最高裁判事の保守・リベラル双方の構成比が持ち出され、議論されています。

 周知のように米国最高裁は、去る9月18日に逝去した女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏の後任として、同26日ドナルド・トランプ大統領がやはり女性のエイミー・バレット判事を指名する発表イベントを行いました。

 大統領選対策が露骨なこの最高裁判事人事の発表は、ノーマスク、ノー感染症対策のイベントとなりました。

 このまるごし行事でドナルド・トランプ氏本人を含むホワイトハウスの大量コロナ感染が発生。

 10月2日の発覚以降、大騒ぎとなったのは記憶に新しいところでしょう。

 結局、バレット判事は10月26日に上院承認、27日に司法宣誓を行って後任に就き、米最高裁は9人の判事のうち6人が保守派、3人がリベラルという極端に均衡の崩れた構成になってしまったわけです。

米連邦最高裁での保革「死闘」

 このバレット判事を含む、トランプ政権によって任命された3人の判事が揃って「保守派」で、共和党政権が指名した人事ということになります。

 就任日時をさかのぼる形で記すと

エイミー・バレット(48)(2020年10月着任)
ブレット・カバノー(55)(2018年10月着任)
ニール・ゴーサッチ(53)(2017年4月着任)

 ちなみにどうでもよいことのようですが、全員筆者より若い世代です。