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 連載「実録・新型コロナウイルス集中治療の現場から」の第24回。玉石混交の情報があふれる新型コロナウィルス感染症。「正しく、かつわかりやすく伝える」が「正しく恐れる」につながる──讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)による感染症専門医・忽那賢志医師へのインタビュー(完結編)をお届けする。

讃井 今回も臨床の最前線で新型コロナウイルス感染症を診ている忽那賢志先生にお話を伺います。テーマは、リスク・コミュニケーション(リスクに関する正確な情報を伝達・共有すること)、サイエンス・コミュニケーション(非専門家に対して科学的なトピックを伝えること)です。

忽那賢志(くつな・さとし)氏
感染症専門医。2004年に山口大学医学部を卒業し、2012年より国立国際医療研究センター国際感染症センターに勤務。感染症全般を専門とするが、特に新興再興感染症、輸入感染症の診療に従事し、水際対策の最前線で診療にあたっている。

讃井 私は、5月から始めた週1回の本連載で、一般の方々に向けて集中治療の現場から新型コロナ感染症に関する情報発信を続けています。そこで常に感じているのは、「正しく、かつわかりやすく伝える」ことの難しさです。

 忽那先生は「Yahoo!ニュース 個人」で頻繁に記事を書いていらっしゃいますが、あれはとてもわかりやすいですね。

忽那 自分でも難しい言葉を使わないように気を付けていますが、投稿する前に妻に読んでもらい、内容や表現でわかりにくいところがないか確認してもらっているんです。

 ただ、新型コロナ感染症に関しては、皆さん関心が高くて知識もどんどん増えているみたいで、今や一般の方でも「偽陰性・偽陽性」といった言葉を当たり前のように知っているのでビックリします。ですので、コロナについては多少踏み込んで書いても読んでくれるだろうという感触を持っています。