選挙活動を再開させ遊説に向かうトランプ大統領(10月13日、写真:AP/アフロ)

「すでに勝負あった」と思えることが、ドナルド・トランプ大統領の選挙対策本部で起きていた。

 新型コロナウイルスに感染していたトランプ氏は12日、陰性になったことを公表し、フロリダ州を皮切りに激戦州で選挙活動を活発化させている。

 ところが、トランプ選対本部内ではすでに「捨て始めた州」が出ていたのだ。

激戦3州でTV広告打ち切り

「捨て始めた州」というのは「勝てないと見切った州」であり、オハイオ、アイオワ、そしてニューハンプシャーの3州が挙げられる。

 ロサンゼルス・タイムズ紙ほかの米メディアが、3州でテレビ・ラジオ広告の放映を打ち切ったことを報じているのだ。

 なぜ見切ったことが分かったかといえば、トランプ陣営が3州でテレビ・ラジオ広告の放映を打ち切ったからである。

 3州の中でも特にオハイオ州は大統領選挙では重要で、過去50年以上、「オハイオ州を奪った者が勝つ」とのジンクスが生きてきた州なのである。

 前回(2016年)選挙でもトランプ氏が奪っている。

 各種世論調査の数字を眺めると、オハイオ州でのトランプ・バイデン両氏の支持率の差はいま、大きく差がついているわけではない。

 トランプ陣営がこの時期、同州でのテレビ・ラジオ広告を打ち切ることにしたのは、「負け試合」を覚悟し始めたからとも受け取れる。