「すでに勝負あった」と思えることが、ドナルド・トランプ大統領の選挙対策本部で起きていた。
新型コロナウイルスに感染していたトランプ氏は12日、陰性になったことを公表し、フロリダ州を皮切りに激戦州で選挙活動を活発化させている。
ところが、トランプ選対本部内ではすでに「捨て始めた州」が出ていたのだ。
激戦3州でTV広告打ち切り
「捨て始めた州」というのは「勝てないと見切った州」であり、オハイオ、アイオワ、そしてニューハンプシャーの3州が挙げられる。
ロサンゼルス・タイムズ紙ほかの米メディアが、3州でテレビ・ラジオ広告の放映を打ち切ったことを報じているのだ。
なぜ見切ったことが分かったかといえば、トランプ陣営が3州でテレビ・ラジオ広告の放映を打ち切ったからである。
3州の中でも特にオハイオ州は大統領選挙では重要で、過去50年以上、「オハイオ州を奪った者が勝つ」とのジンクスが生きてきた州なのである。
前回(2016年)選挙でもトランプ氏が奪っている。
各種世論調査の数字を眺めると、オハイオ州でのトランプ・バイデン両氏の支持率の差はいま、大きく差がついているわけではない。
トランプ陣営がこの時期、同州でのテレビ・ラジオ広告を打ち切ることにしたのは、「負け試合」を覚悟し始めたからとも受け取れる。