(花園 祐:上海在住ジャーナリスト)
満を持してシリーズ2が放送された堺雅人氏主演のTBSドラマ「半沢直樹」は、前評判に違わない高視聴率を連発し、9月27日の最終回を終えました。
筆者が暮らしている中国においても、同番組はシリーズ1が放送された2013年当時から非常に高い人気を得ています。
今年のシリーズ2も放送開始前から大いに話題となり、動画サイトで配信される中国語字幕版を多くの人が視聴しています。「ドラマ満足度ランキング首位に」「コロナの影響で放送日が延期」といった日本でのニュースも逐一伝えられており、その熱狂ぶりは日本と同等、いやそれ以上ではないかと思わされるほどです。
なぜ中国人はこれほどまでに「半沢直樹」に熱狂するのか。筆者は、そこには中国人ならではの、ある国民性があると見ています。一体どのような国民性なのか、以下で紹介したいと思います。
「倍返し」が流行語に
前述の通り、「半沢直樹」は2013年のシリーズ1から中国で高い人気を博しています。特に主人公の決め台詞である「やられたらやり返す、倍返しだ(中国語:以牙还牙、加倍奉環)」は中国でも流行語となり、筆者も当時やたらと中国人が口にしているのを聞いたものです。
中には、中国国内にある日系銀行支店への就職が内定するや、「日本の銀行での仕事を学ぼうと『半沢直樹』を見て予習しています」という若者もいました。さすがにその若者には、「あれはドラマの世界であって、日本の銀行ではあんな風に毎日怒鳴りあったり、土下座しまくっているわけじゃないよ」と教えてあげましたが。