各企業のユニークな「福利厚生」の事例

 企業によっては、他社との差別化を図るため、ユニークな福利厚生を導入しているところがある。ここでいくつか事例を紹介したい。

●「ワーク・ライフ・バリュー ストーリー」(OKAN)
 従業員個々人の仕事と生活と個人の調和を取るうえで、個人が大切にしたいと思う価値観「ワーク・ライフ・バリュー」の理解、支援をする制度。年1回、手当(1万5000円)もしくは休暇を選択できる。

 各自の価値観に合わせ、例えば休暇や手当を「家族会議休暇」、「メンバー仲良し旅行手当」と命名し、従業員それぞれのストーリー(制度)が生まれている。

●スマイル給(面白法人カヤック)
 仕事の喜びは、お金だけで測れるものではないため、お金に換えられない報酬を「給与」に組み込もうとして始まったスマイル給。社員それぞれが、毎月ランダムで社員一人の長所を評価する。評価を受けた社員の給与明細には、例えば、「即戦力給 0円」、「作業スピード超特給 0円」、「鎌倉のザッカーバーグ給 0円」といった記載がされる。各自の「スマイル給」が、なぜそのようなネーミングなのか、解説を社内ネットワークで公開している。

●ジムdeリフ(Wiz)
 月に4回以上ジムに通うと、会社から補助金が支給される制度。社会人の運動不足を課題として同社は捉え、「少しでも運動する人が増えたら」という想いからこの制度が生まれたという。

●おひるねスペース「GMO Siesta」(GMOインターネットグループ)
 同グループでは、従業員が頭をクリアにし、クリエイティブな発想を生み出す助けとなるよう、20分程度のお昼寝を推奨している。平日の12:30~13:30の間、会議室を昼寝スペースとして開放しており、誰でも気軽にお昼寝ができる環境を整えている。

●Know Me(Sansan)
 他部署の社員と飲みにいく場合、会社から一人当たり最大3,000円の補助を受けられる。この福利厚生のネーミングは、「飲ーみー(Know Me)」が由来となっている。

●キッチンと「まかない」(クックパッド)
 大きなキッチンスペースで、毎日届く新鮮な食材を使って料理ができる。ランチタイムには多くの社員が集まり、社内コミュニケーションの一環になっている。

 福利厚生は採用力や従業員満足度の向上といった多くのメリットがある一方で、デメリットもいくつか存在する。コストや管理の問題のほか、全従業員を満足させられないといった運用面での難しさがある。従業員それぞれのキャリアやライフステージが多様化しているいま、既存の福利厚生を一度見直してみてはいかがだろうか。

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HRプロ編集部

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