6月6日、ロンドンの自宅に戻ると、早速カード発行会社の「Dispute Team(商事紛争班)」と「Fraud Operations(詐欺対策班)」に電話をし(2つの部署に連絡しなくてはならないので面倒くさい)、不正取引分の支払いを拒否し、カードの再発行手続きをした。

カードを新しくしても、なぜか利用していないNETFLIXの料金が

 英国ではクレジットカードの不正使用(詐欺)は日常茶飯事で、発行会社の対応も定型化している。本人確認のために生年月日や暗証番号を入力すれば、書類の記入も不要で、口頭ですべてが済む。ただ、コールセンターがインドにあるため、相手の英語がインド訛りで聞き取りづらい。

 間もなく新しいクレジットカードが送られて来た。カード番号も変わり、これで不正請求もなくなると思いきや、翌月の利用明細では、6月下旬と7月下旬に2度、NETFLIXの視聴料7ポンド99ペンスがチャージされていた。筆者はNETFLIXの利用者ではないので、すぐにカード発行会社に電話し、支払いを拒否。再度カードの発行手続きをしてもらう。「いったいどこから情報が洩れているんですか?」と訊いたが、原因は分からないと言う。

 間もなく別のクレジットカードが送られて来て、今度こそ安心と思いきや、次の利用明細に、またNETFLIXの7ポンド99ペンスが!

 また発行会社に電話し、支払いを拒否し、情報漏洩の理由を訊いたがやはり「分からない」と言う。

 いったいどうなっているんだと思い、ネットで調べると、NETFLIXの不正請求は結構あるらしく、「ここに電話して下さい」とNETFLIX社が電話番号をネット上に掲載していた。早速電話すると、ギリシャにあるコールセンターにつながった。

 事情を説明すると、「不正請求分は返金し、利用取引自体を取り消します」と言う。「いったい誰が勝手に契約したんですか?」と訊いたが、教えてはくれなかった。「どうして新しいクレジットカード情報が次々洩れるんですか?」と訊くと「契約しているお客さんのクレジットカードが新しいものに更新されると、自動的にその情報がクレジットカード会社から送られてくるんです」と言う。「はあー、そうなってたの!」とようやく合点がいく。