カード発行会社に電話してみると・・・
3日後、講演で訪れた長野市のホテルから国際電話をかけ、ようやくカード発行会社と話ができた。「私のクレジットカードが使えなくなっていて、たぶんそれはミャンマーで使ったからだと思うんだけど」と言うと、予想もしない答えが返ってきた。
「5月22日に、スペインのチケット販売会社から875ポンド(当時の為替レートで約12万円)の請求があるのですが、これはあなたの取引ですか?」
「えっ、スペインのチケット販売会社!?」
「そうです。スポーツやライブコンサートなんかのチケットの販売会社です。ここでサッカーのチケットを買ったりしていませんか?」
「いやいや、私はサッカーなんて観ないし」
「オゥ、ユー・アー・ノット・ア・フットボール・ファン! 英国の自動車関連商品の販売会社からも1000ポンドの請求がありましたけど」
「それも私の取引じゃない。絶対に詐欺です!」
カード発行会社は、この1000ポンドの取引は承認しなかったという。あまりのことに呆然としつつも、今後取るべき手続きを確認し、電話を終えた。電話代は9610円かかった。
その6日後の6月3日、日本の大手旅行会社のロンドン支店から「お客様情報流出の可能性について」という表題のメールが送られて来た。筆者が長年利用している旅行会社である。
<2019年5月22日以降、弊社ロンドン支店の一部のお客様から、お客様の個人情報(氏名・住所・電話番号・クレジットカード情報)が流出した可能性があるのではないか、というご照会をいただいております。(中略)弊社では弊社システムの機密性および完全性を保証するための段階的な措置、ロンドン警視庁およびオランダのデータ保護機関(国際的なデータ漏えいに対応する弊社の主要な管轄当局)への通報を速やかに行いました。(中略)現時点では、データ漏えいの可能性が存在しています。そのため、お客様におかれましては、クレジットカードの発行会社にご相談されることをお勧めいたします。(以下略)>
同じ頃、家内の友人とそのまた友人の2人も、その旅行会社でしか使っていないクレジットカードをスーパーやネット通販で不正使用され、「あの旅行会社から情報が洩れたとしか考えられない」と話しているという情報が入ってきた。
筆者はすぐに旅行会社に連絡し、被害の状況とかかった国際電話料金のことを連絡した。被害の状況を伝えることは先方の調査の助けになるし、すぐに連絡しておかないと、後で費用等を請求しても払ってもらえない。担当者からは、その日のうちに返事が来て、現在原因などを調査中なので、進展があり次第連絡するとのことだった。