不動産投資

 宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、前回に続いて「一棟アパート投資」がテーマ。事業計画書のポイントについて、小田さんの実体験に基づいてお伝えします。

事業計画書の「数字のマジック」に注意

【質問】
 夢だった福岡のアパートオーナー! 土地から購入するつもりで、複数の建物を観に行ったらデザイナーズアパート。すぐに欲しくなって、勢いで契約してしまった。こんなに思い切って大丈夫ですかねぇ?

 前回の記事では、購入する一棟アパートの立地を決めるまでを解説してきました。そのなかで、再三、「準備と計画」について話してきました。
 今回は、不動産会社が提示したアパートについて、購入までの計画案のシミュレーションを見ていきながら、「事業計画書」がいかに大切であるか、先の見通しがいかに曖昧なものか、具体的に話をしていきましょう。

 事業計画書とは、先々の収益や経費、負債などの見積もりを実際の数字で示したものです。一棟アパート投資が成功するか失敗するかは、事業計画書で100%決まると言っても過言ではありません。
 この事業計画書がいかに大事なものかは、初めて新築アパートを購入した14年前の私には、まるで想像がつきませんでした。今思えば、不動産会社とはもっとしつこく相談すべきでした。
 数字のマジックにだまされてはいけません。後ほど詳しく説明しますが、出された数字をそのまま信用せずに、ここをこうしておきたい、リスクヘッジを加えておきたいなど、納得いくまで交渉することが大切です。