新型コロナウイルス感染症対策で「テレワーク」が急に身近になってきた。その中でもとくに頻繁に行われるようになったのが「オンライン会議」だろう。導入当初は、実際に集まらなくても互いの顔を見ながら話ができるだけで、便利さが感じられた。しかし、オンライン会議をはじめて、1ヵ月、2ヵ月……とたってきたら、オンライン独自のよさをさらに活かす会議にしていきたい。まずできることはなんだろうか。
ルールを決める
ZoomやGoogle Meetといったツールを使った「オンライン会議」では、表情や雰囲気が読み取りにくい。また、微妙にタイムラグがあるので、間合いがとれず、同時に話し出してしまうこともある。さらに、カメラの位置によって、視線の向く方向がわかりにくい。自宅で接続している場合、部屋の中のようすが見えてしまったり、家族の声や姿が入ってしまったりすることも起こる。これらの点をカバーするために、次のようなルールを決めておくとよいだろう。
・背景に何が写っても、それについては言及しない
とくによくないのが「部屋が狭い・汚い」、「子供がうるさい」などの発言である。自宅は本来職場ではないし、プライバシーにも配慮すべきだ。
・できるだけイヤホンマイクを使用する
または、発言している人以外は、マイクをミュートにする。
・相手に伝わりやすいリアクションをとる
何か尋ねられたら、うなずくだけではなく、しっかり返事をする、ジェスチャーで示すなど。
・必ず名前を呼ぶ
3人以上が参加している場合、だれか個人に話しかけるときは、名前ではっきりわかるようにする。
また、リアルの会議であれば、2時間、3時間……と時間をかけていても、オンライン会議ではそれほど集中力が続かない。できるだけ短時間で終わらせる工夫をすべきだ。
実はこれは、オンラインだけの話ではない。長すぎる会議を適切な時間で終わらせるためのノウハウはたくさんあるが、ふだんはなかなか言い出す機会がない。とくに、会議の長時間化の原因が職場トップや上司などの場合は、注意するのが難しい。
オンライン会議導入という機会をとらえて、発言の仕方にもルールを導入し、テーマとの関連がはっきりしない長広舌をふるうといった、会議を長引かせてしまう発言方法についてもここでなくしておきたいものだ。
具体的には、「PREP法」で発言する、というのがおすすめである。PREP法とは、下記の4段階で論を展開する方法だ。
P=Point(結論)
R=Reason(理由)
E=Example(事例、具体例)
P=Point(結論を繰り返す)
これを意識することで、内容が伝わりやすく、簡潔になるという効果がある。