「見える化」する

 通常の会議の場合、各人がそれぞれ資料やノートにメモをとる、というのはよく見られる光景だ。しかし、この方法では、話を聞きながらメモしなくてはならないので、聞き漏らす危険もあり、発言している人を無視して全員が手元ばかり見ている状態になりうる。このような会議では、「何かご意見はありませんか?」と尋ねられても、下ばかり見ていてだれも答えず、雰囲気もどんよりしがちだ。

 また、会議が長時間になるほど、そして、一人ひとりの話が長くなればなるほど、集中が途切れてしまい、今、なんの話をしているのか見失うこともある。

 そのため、ホワイトボードを活用して会議のアジェンダを共有して流れを可視化し、決定事項を共有するという方法がよくとられている。ホワイトボードで会議を「見える化」する方法は、書籍やネットなどで多く紹介されている。

 これは、オンラインでもまったく同じことができる。多くの WEB会議システムには、ホワイトボードの機能があり、それを使えばよい。ホワイトボード機能以外にも、書記役を決めて、wordやPowerPointなどの使い慣れたソフトの画面を共有し、そこに書き込みながら会議をすることもできる。この方法であれば、会議が終了すると同時に議事録もできあがっているので時間の節約にもなり効率的だ。

 だれかひとりが書記になり、他の人は議論に集中するという方法もよいが、全員がそれぞれ共有した画面に書込みながら話をすることもできる。ホワイトボード機能でもよいし、例えばZoomでは、共有して画面に出した資料にそのまま書き込む機能がある。wordや Googleドキュメントなどのクラウド上にある文書を、話し合いながらリアルタイムで共同編集することも可能だ。

 また、オンラインでは全員が画面を見ている状態なので、会議のホストが強制的に見せたいものを見せることができる、という利点がある。画面が小さい点を逆に利用し、ひとつのものに意識を集中させやすいのである。

 このようなオンラインならではの機能を使って、短時間で実りのある会議を作っていきたいものだ。


李怜香(り れいか)
メンタルサポートろうむ 代表
社会保険労務士/ハラスメント防止コンサルタント/産業カウンセラー/健康経営エキスパートアドバイザー
http://yhlee.org

著者プロフィール

HRプロ編集部

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