「コロナ後」の回復局面をとらえるための仕込み

 とにかく圧倒的なパフォーマンスが魅力の『J-フロンティア』ですが、コロナショックの影響で、3月半ばには基準価額が12,000円台まで下落してしまいました。

 しかし『J-フロンティア』の組入銘柄は、情報・通信やサービス、電気機器など、どちらかというと新型コロナウイルスの直接的な影響は小さそうな業種が多く、小売りや外食、宿泊施設といった相対的に影響が大きいと考えられる企業はすでに売却しているようです。

 ちなみに3月末時点の組入上位10銘柄は次の通り。

組入上位10銘柄
組入上位10銘柄※2020年3月31日時点

 株価を調べてみると、いずれもコロナショックの影響はあまりなさそうです。特にソフトウェアのテスト検証事業を手掛けるSHIFT(3697)、産業用小型ボイラーの国内トップ三浦工業(6005)、オンライン診療プラットフォームをOEM提供するオプティム(3694)の3銘柄は、上場来の高値圏にあるといっていいでしょう。

 一方で介護・医療業界向け人材紹介などを手掛けるエス・エム・エス(2175)は年明けから株価が下落基調にあり、コロナショックでさらに下げました。現在株価は回復基調にありますが、直近の高値には及びません。

 とはいえ、『J-フロンティア』の過去の運用報告書を確認すると、2年前には組入上位10銘柄にエス・エム・エスは名を連ねています。中長期の成長を確信して投資しているからこそ、目先の株価がさえなかったとしても、高い組入比率で持ち続けていられるのでしょう。

 4月上旬のファンドのレポートを確認すると、足元で新型コロナウイルスの影響を受けている銘柄も今後の回復局面では再び成長軌道に戻ると想定し、買い増しのタイミングを計っている、とのコメントがあります。回復局面での値上がりをしっかり享受するため、いまは着々と仕込んでいる最中なのかもしれません。

 組入比率上位10銘柄のうち、私が社名と事業内容をきちんと把握していたのは、アニコム ホールディングスだけでした。やっぱり個人が知らない優良銘柄や投資機会を提供してくれるのがアクティブファンドのいいところですよね。しかも目先の株価で右往左往するのではなく、中長期の成長を見越してどっしりとした運用を実践している『J-フロンティア』は、アクティブファンドに投資する醍醐味に溢れていそうです。

 ちょっと心配なのは、パワーリフティングが趣味で、週末はジムでバーベルを持ち上げているというファンドマネージャーの岩本誠一郎さんの体調。コロナ禍でジムがクローズして、ストレスが溜まっていなければいいんですが……。早く通常の経済状態に戻って、ファンドのパフォーマンスもバーベルもガンガン上げてほしいですね。