新型コロナウイルスと資産運用

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は解除されたものの、北九州市での感染者の増加を機に「第2波」への懸念が高まり、東京都では6月2日に「東京アラート」が発動されました。そんな中で投資家は現状をどのようにとらえ、行動すべきでしょうか。アセットマネジメントOneの伊藤雅子さんにお話をうかがいました。

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伊藤 雅子さん

アセットマネジメントOne

投資信託プロモーショングループ長
伊藤 雅子さん
2003年興銀第一ライフ・アセットマネジメント(現アセットマネジメントOne)入社。外為マーケット経験を生かし、専門的な話をわかりやすく伝えることを第一に、投資信託の普及に努めている。営業員向け研修や一般投資家向けセミナーなど講演経験多数。近著に『マンガでわかる 必ず伝わる!投信提案』(近代セールス社)。

投資の成功を阻む最大の壁は「感情」

Q.「解約が増えている」「むしろ資金流入が増えている」など、今回の調整局面で貴社ファンドはどのような影響を受けていますか?

 2月下旬以降多くの資産価格が急落する中では国内外の株式ファンドへの資金流入が目立ちましたが、4月に入り株式市場の戻りを見てからは様子見姿勢が強まっているようです。

 一方、一貫して資金流入が続いているのが、当社の主力運用戦略を使ったバランス型ファンドです。特に『投資のソムリエ』は3月の月間騰落率でプラスを維持したこともあり、お問い合わせが増えています。

Q. 販売会社や個人投資家から増えている質問はありますか?

 「マーケット全般の見通し」と「各ファンドの見通し」に二分されます。

 今回のコロナショックはその原因が誰の目にも明らかなので、「なぜこんなに下がったのか」と現状を問う質問は少なめです。その分、先々を見通す手がかりが欲しい、特に今自分が「売るか、買うか、持ち続けるか」を判断するための客観的なデータや材料を知りたいというニーズを強く感じます。

 市場環境や各ファンドの運用状況などは、弊社ホームページに随時掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

Q. こうした局面で個人投資家がやってしまいがちなミスや、やってはいけない行動には何がありますか?

 投資の成功を阻む最大の壁は、人間の感情だと言われています。値下がりの恐怖心から慌てて売ってしまう、値下がりはチャンスと冒険心から勢いで一気買いしてしまう……。“なんとなく”相場の雰囲気に流されて、感情のままに行動してしまうと、その後の相場が逆に動いた時に耐えられなくなり、損をして、“なんとなく”投資をやめてしまうことになりがちです。