だが最初に会社に対して行動を起こしたのは、ある従業員の妻だった。

 ジェニファー・エスコバーさんは工場の操業中止を求めて嘆願書を作成し、従業員たちから署名を集めた。

 すると5000人以上が「操業を中止して従業員たちを自宅に戻す」案に賛同、署名した。

 この署名運動の動きはカリフォルニア州にある同社パームデール工場にも伝わり、同様の署名活動が行われた。

 しかし、すべての従業員が署名したわけではない。

 署名したのは全従業員の半分にも満たず、エスコバーさんは「会社側から何らかの仕返しされるのが怖いから」とその理由を推測する。

 新型コロナウイルスに感染した患者さんと、感染者と作業場を共有していた従業員は自宅待機か医療施設に入ったが、それ以外の人たちは相変わらず作業を続けていた。

 工場閉鎖の嘆願書が出されても、会社側が操業を中止することはなく、5月下旬になっても操業は続いている。

 それに対して会社側は、前出の「イン・ディーズ・タイムズ」誌に次のように返答している。