ホワイトハウスの記者会見室で新型コロナウイルス対策について話すトランプ大統領(2020年3月26日、写真:AP/アフロ)

(藤谷 昌敏:日本戦略研究フォーラム政策提言委員、元公安調査庁金沢公安調査事務所長)

 現在の新型コロナウィルスによる世界の感染者数と死亡者数(4月11日時点)は、世界全体で感染者数168万4833人、死亡者数10万2136人であり、国別では、米国感染者数49万9796人、死亡者数1万8580人、スペイン感染者数15万8273人、死亡者数1万6081人、イタリア感染者数14万7577人、死亡者数1万6849人、ドイツ感染者数12万2215人、死亡者数2767人、フランス感染者数11万2950人、死亡者数1万3197人、中華人民共和国感染者数8万1907人、死亡者数3336人、そして日本は、感染者数5347人、死亡者数88人である(4月23日時点では、世界の感染者は約261万人、死者は約18万1000人。日本はクルーズ船を除いて感染者が約1万2000人、死亡者は約300人)。

 この中で目立つのは日本が感染者数、死亡者数ともに非常に少ないことである。

 日本においては、なぜ、新型コロナウィルスの感染者と死亡者が少ないのか。最近の医療関係者の話をまとめると概ね次のような理由となる。

・手洗いが日常的に習慣化している
・握手、ハグするなどの習慣がない
・マスクをする習慣がある
・病床数が人口1000人当たり13.1とトップクラス
・感染経路を調べクラスター感染を潰す方式が有効
・BCG予防接種が重篤化率を下げるのに効果的
・CT、MRIの普及率が高い

 日本人としては、しばし安心とも言えるが、4月に入ると日本においても感染者の拡大が急速に進み、死亡率の上昇も懸念されるなど、予断を許さない状況となっている。

米国の戦時生産体制のすごさ

 こうした中、重篤者に対する有効な治療法として、人工呼吸器、人工肺(ECMO)が注目を浴びている。日本においては、2020年3月時点で国内の人工呼吸器は2万2254台、1万3437台が待機中であり、ECMOは1400台程度が国内で使われている。(2020年4月6日付け東京新聞など)