HR総研では中国・武漢市を発生源とした新型コロナウィルスの感染拡大を受け、緊急調査を実施した。日本においても、企業活動にすでに多大な影響が及ぼされている企業も出ており、どちらかというと不安を抱える企業も増えてきている。HRプロで掲載している今回の緊急調査結果から、一部を抜粋してお届けする。本記事では企業活動と採用活動に対する「影響度」「予測される影響の内容」「影響への対策」等に関する各企業の最新動向について紹介する。ただし、本調査結果は2月の中旬に実施した調査を元に作成したものであり、刻一刻と状況が変化し続ける現状において、各企業の方針・動向も常に変化し続けていることにご留意いただきたい。また、2月16日開催の専門家会議の内容を受けた厚生労働省の記者発表における「不要不急な集まりの自粛を検討する必要がある」との発言を契機に、翌日には3月1日開催の東京マラソンでは一般ランナー抜きでの実施が発表されるなど、事態は大きく転換している。本テーマについて近日中に再調査を実施し、HR総研としても引き続き企業の動向を追いたいと考えている。
大企業の半数以上が「中国拠点あり」、中小企業の7割は「海外拠点なし」
まず、自社における海外拠点の有無について聞いてみた。「中国に拠点がある」が29%、「中国以外の海外に拠点がある」が28%、「海外拠点はない」が56%であり、本調査に回答した企業の半数以上が「海外拠点はない企業」であることが分かる(図表1-1)。
ただし、企業規模が大きいほど中国を含む海外拠点を持つ企業が多く、従業員数1,001名以上の大企業では「中国に拠点がある企業」が過半数(53%)であり、その他の地域も含めると71%の大企業に海外拠点がある。一方、「海外拠点はない企業」については301~1,000名の中堅企業は50%、300名%以下の中小企業は73%となっている(図表1-2)。
これらの企業拠点の構成を踏まえ、以降の調査結果を紹介する。