「集団行動の延期や中止は不要」と実行を推奨した政府

 以後、政府と与党政権からは「朴槿惠政権とは違う」ことをアピールするかのような自画自賛が相次いだ。

5日 「コロナとの戦争で勝利を掴んだ」(与党院内代表)

12日 「集団行事を延期したりキャンセルする必要性はない。防疫措置を十分に並行しながら集団行事を推進することを勧告する」(政府)

12日 「過度な不安感を振り払って再び日常活動、特に経済活動・消費活動を活発にしてくれることが根本的な対策」(文大統領)

13日 「COVID-19は間もなく終息するだろう」(文大統領)

17日 「WHOが韓国政府にコロナ関連の資料を要請するほど我々の防疫や医療体制、市民意識は世界的水準」(与党代表)

17日 「韓国政府の対応が世界的な模範事例として認証されるだろう」(与党最高委員)

19日 「国際社会も韓国の感染症拡散遮断(対策)に対し相当に効果があると評価している」(法務長官)

 まだ事態が鎮静化していない段階でこうした「楽観論」が相次いだのは、「朴槿惠よりダメだ」という世論が形成されるようなことがあればどのような結果が待っているのかを誰よりもよくわかっているが故の焦りの表れだろう。

 自分たちが野党時代にやってきたように、現・保守野党と世論が全てを大統領と青瓦台の責任と声を張り上げ、大統領が謝罪しなければならないという批判を受けるようになる事態を避けなければならないという「学習効果」が早急な楽観論を国民の前で語らせたのだ。相次ぐ楽観論は、結果として国民を安心させ、油断させてしまった。