経済発展が著しいベトナム。写真はホーチミン

 グローバリゼーションが進み、多くの企業が海外企業との取引を行っています。

 海外企業との国際取引は、国内企業との取引に比べて、非常にリスクが高く、特有のトラブルが起こることをご存じでしょうか。

(なお、弁護士としての守秘義務のため、実際の事例とは事実を変えています)

サンプルと違う粗悪品

 例えば、次のようなケースが実際に起きています。

 都内に本社のある中堅企業A社は、ベトナムのB社からある工業製品を購入しました。

 購入に際しては、事前にサンプル品を送ってもらい、十分に品質を確認したうえで、これなら大丈夫ということで、購入しました。

 その後、納期までに製品が届いたため中身まで十分に確認せず、数量のみを確認して代金をベトナムに送金したのです。

 ところが、実際に開封してみたところ、サンプルとは全く品質が異なる粗悪品だったのです。

 当然、A社は直ちにB社に連絡し、ちゃんとした品質の商品を送るか、支払った代金を返してほしいと交渉しました。

 ところが、B社は全く応じず最後は何の連絡も返さなくなりました。