革命が起きかねないと危惧?

 オースリン氏は以上のように、今回のコロナウイルスの感染症が、中国の国家としてのあり方への根本的な疑問を突きつけただけでなく、習近平主席自身の統治能力の不足の証明となったことを強調する。

 そして、習近平氏が置かれている状況について以下のような諸点を述べていた。

・習近平氏自身は現状を中国の現体制の危機であり、脅威が迫っているとみなし、革命が起きかねないとまでみている。そのため武漢だけでなく湖北省全体の約5000万の住民を事実上封鎖する措置をとった。

・習主席は、これまで国内での自らの地位を固め、対外的には米国と対決するなどきわめて野心的な言動をとってきた。しかし、今回の事件でその基盤となる中国国家の弱さが露呈し、世界の対中観が変わりつつある。その間、習氏は公式の場から後退し、責任を逃れるかのような言動をみせている。

 オースリン氏はこのように習近平氏と同政権に厳しい評価を下しながら、論文の最後で「感染症の広がりは習政権にとって、より不吉な効果を引き起こしかねない。『第2の武漢革命』の可能性も否定すべきではない」と結んでいた。

 米国で中国共産党政権の今後に対するこうした深刻な分析と警鐘が出てきたことは注視せざるをえないだろう。