(山田 珠世:上海在住コラムニスト)
中国の今年(2020年)の春節(旧正月)は1月25日。元旦ではなく旧正月を祝う中国では、今、まさに忘年会シーズンの真っただ中だ。
中国語で忘年会は「年会」という。中国の年会は新年会も兼ねており、一般的に会社が開催する。日本のように、友人同士やサークル、習い事の仲間などで年の瀬に集まってお酒を飲むことは多くない。
普段から会社でも、何か大きな商談がまとまったからといって部門内で打ち上げをしたりすることはめったにない。また、仲のいい同僚と会社帰りに飲みに行ったりする習慣もほとんどないのだ。
中国にある日系企業であれば、日本の習慣を取り入れて打ち上げをしたり、飲みに行ったりすることもあるだろう。ただ一般的には、昼食時に一緒に食事をとることで済ませるし、夜に行う場合は強制ではない。「子どもの習い事があるから」「子どもの宿題をみなければいけないから」「家庭の事情で」といった理由で欠席してもまったく問題ない。勤務時間外だからだ。
そんな中国だからこそ、会社が年に1度開催する「年会」はビッグイベントの1つで、みな楽しみにしている。
その最大の理由は、会社が費用をもってくれるから。年会は「会社が自分たちをもてなして、楽しませてくれる公式行事」という認識なのだ。