扉から中を覗くと、彼のアニキ分のような猫が「よぉ」と目を開けました。ここからは、アニキが案内してくれるようです。

 アニキについて行くと、あらまぁ、猫がいっぱい! まさにこのような情景をわたしが望んでいたことを、おばあさんの飼い猫はわかっていたのでしょうか。しかも、近所の猫たちに顔が利くアニキの力も借りて。もしかしたら、彼なりのお礼だったのかもしれないと思うと、目頭が熱くなりました。

 猫たちが荷台に乗っている三輪車も、彼らが出入りしている家の佇まいも、この島ならではといった感じで、とても素敵です。

 ドアの向こうからこちらをのぞいています。

 開店前のバーのスタンディング・テーブルは、猫たちに占領されていました。