長毛種のきれいな三毛猫がゴミ箱にもたれて座っていました。こんなへんな場所でなくて、風通しのよい居心地のよさそうなところに行こうよと誘ったのですが、ここを動こうとはしませんでした。

 猫たちは、いさかいもせず一つの場所に何匹かでいました。ときどき寝ている猫に対して奇襲攻撃を仕掛ける猫がいましたが、「無防備に寝ているんじゃないよ」という注意喚起のつもりでしょうか。

 これは焼きタコで、オリーブオイルをかけていただきます。獲れたばかりのタコを炭火で焼いただけの料理ですが、焦げた香りが食欲を誘い、とても美味しかったです。店主は、両手を広げ「こんな立派なタコだったのに、焼いたら縮んでしまったよ」と、言い訳のように話していましたが、十分に食べ応えがありました。

 匂いを嗅ぎつけて、テーブルの下に猫がやってきました。「これはタコ。猫ちゃんは食べられません、ごめんね」などと話していると、店主が、小イワシのような魚を1匹、猫にやりました。どうやらこの猫は店の常連客のようです。ちょっと険しい表情ですが、素敵な模様で、堂々とした猫でした。

 ドデカネス諸島の後編は、コス島の隣りにあるカリムノス島で猫に恩返しをしてもらった話です。
おばあさんの飼い猫からもらった「猫の恩返し」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58903