今年の「日本からの」ノーベル賞でローカルに盛り上がった「リチウムイオン電池」、解説は10月に書きましたが、年末に入って関連のニュースがいくつか入ってきました。
リチウムイオン電池の「全固体化」が進んでいるという報道です。
「固体? 電池は固体ではないのか?」と問われる方があるかもしれません。実際、現行の多くのリチウムイオン電池は、液体の有機導体を用いて動作しています。
「液体」が「固体」になると、何がそんなにうれしいのか。そのあたりから考えてみましょう。
3つの強み:全固体リチウムイオン電池
液体電解質を使用している現在のリチウムイオン電池が全固体化すると、いくつかの顕著なメリットがあります。
端的に言うと、それは「温度耐性」「サイズ」そして「充電時間の短縮」の3つに集約できるでしょう。どういうことでしょうか?
まず「温度」から考えるのが分かりやすいと思います。
現在のリチウムイオン電池は「常温で液体」の有機導体を使って動作しています。ということは、それが「液体」でなくなってしまうと、動作しなくなってしまう。
例えば冷凍庫の中に入れたらどうでしょう?
普通の家庭用冷蔵庫のフリーザーは大したことがありませんが、営業用の高速急冷が可能なシステムで、マイナス50度とか60度といった温度に下げてしまうと・・・。