気軽に管理栄養士さんに相談してみよう

 大塚さんは保険薬局に常駐して、医師の指導せんが出ている患者さんへの栄養指導を行ったり、薬を受け取る待ち時間を過ごしている方の栄養相談にも乗ったりしている。

「必要な栄養や適した食事は1人ひとり違うもの。ですから私たち管理栄養士は、患者さまや医師とコミュニケーションをとりながら栄養指導を行っています。

 例えば、過去に胃を切除されている糖尿病患者の方の栄養指導を行ったことがあります。胃を切除した方はあまり召し上がらないとイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その方は食欲旺盛だったんです。食べ物が胃に溜まっている時間がとても短いので、満腹感を得られず、すぐにお腹が空いてしまうので、毎食菓子パンを食べるなど糖質をかなり摂取している状態でした。そこで菓子パンをごはんに変えるなど、エネルギーを保ちながら食事の中身を変えていく指導をしました。

 私の場合、通常は勤務する薬局で栄養相談を行っていますが、薬局の外でも地域のイベントで離乳食や減量したい方のための食事に関する講座を開いたり、体組成計を使った測定会を行ったりしています」

 特にお薬をもらう用事がなくても薬局の管理栄養士さんに声をかけてもいいのかと躊躇してしまうが、対応はしてもらえるのだろうか。

「処方せんがなくても気軽に食事について不安なこと、悩んでいることをご相談ください。メタボ改善や筋力アップを目指す方、介護や育児をする方の栄養相談や食事工夫などに役立てていただけたらと思います」

 毎日の食事は、健康な時も、メタボが気になる時も、病気になっても欠かせないもの。自分が食べるだけでなく誰かに提供することもあるだろう。普段とは違う工夫が必要になった時、インターネットやレシピ本を探し回って疲れてしまう前に、栄養と食事の専門家「管理栄養士」のいる町の薬局を訪ねてみてはいかがだろうか。