飲み物では、炭酸飲料はたとえ無糖の炭酸水でも、炭酸そのものが刺激になるので避けたほうがいい。果汁や野菜飲料は体調不良で食事が取れない時にビタミンなどを取るために利用するのはよいが、酸味や糖分が多いものは注意が必要だ。飲むなら小さなパックのものを選んだほうが良いという。ヨーグルトなどの乳製品は、胃の不快時には控えて、症状が出ていない回復してきた頃から様子を見て食べ始めるのがいいだろう。

 年末年始は飲酒の機会が増える。アルコールは控えるべきだが、飲酒の機会がある場合はアルコール度数の低いもの、少量にできるものにしたほうがいい。ソーダ割りは炭酸の刺激があるし、熱すぎるものや氷がたくさん入った冷たいものは避けたい。焼酎のお湯割りをうすく作って、ほどよく冷ましてちびちび飲む程度にしたほうがよいという。

「消化にいい食事」メニューのポイント

 それでは「消化にいい食事」はどんなメニューになるのだろうか。大塚さんが教えてくれたポイントは次の4点。

・脂質の少ないもの
・やわらかいもの、やわらかく調理したもの
・小さく切ったものや、繊維を断つように切ったもの
・温かいもの

 野菜は加熱調理したもの、葉物野菜なら葉の部分を。根菜はなるべく薄く小さくカットして使う。たんぱく質は脂質の少ない鶏のささみや胸肉、豚ならロースやももの薄切りがいい。豆腐は消化のいい主菜として適した食品で、なるべくなめらかなものを選び、温かい状態で食べるのがおすすめ。メニューでは洋食や中華は脂質が多いので、和食をチョイスしたい。間食にはプリンやゼリー(寒天のものは避ける)を選ぼう。

 外食で消化にいいものを選びたい時は、そばよりうどんがおすすめ。トッピングが選べる店なら、てんぷらではなくはんぺんや温泉卵がいいそうだ。

 そこで、大塚さんに消化にいい「煮込みうどん」の作り方を教わった。

<煮込みうどんの調理例>
【材料・2人分】
長ねぎ・・・3センチ(7.5グラム)
にんじん・・・2センチ(20グラム)
はんぺん・・・2/5枚(40グラム)
鶏むね肉(皮なし)・・・40グラム
ほうれんそう(葉・冷凍)・・・40グラム
うどん(ゆで)・・・2玉(500グラム)
◎顆粒和風だし・・・小さじ2(5グラム)
◎しょうゆ・・・大さじ2(36グラム)
◎みりん・・・大さじ2(36グラム)

【栄養価・1人分】
・エネルギー376kcal、塩分4.8グラム、食物繊維3.0グラム、炭水化物68.5グラム、たんぱく質16.0グラム、脂質1.7グラム

【調理法】 調理時間 15分
①長ねぎは小口切りにする
②にんじんは薄めのイチョウ切りに、はんぺんは4センチ幅の薄切りにする。鶏むね肉(皮なし)は一口大に切る
③◎を鍋に入れてひと煮立ちさせ、②を加えて肉に火が通るまで煮る
④③にほうれんそう(葉・冷凍)とうどんを入れ、うどんがやわらかくなるまで2~3分煮たら、器に盛り付け①の長ねぎを乗せる

”消化にいい”煮込みうどん

【ポイント】
・野菜は繊維を断つように小さめに切る
・うどんはやわらかめに煮る
・たんぱく質がとれる食材として、胃(消化)に負担をかけにくいはんぺんや鶏むね肉(皮なし)を使用