今回のランキングで最高ランクのAに分類されたのはオランダとデンマークだった。Bプラスのカテゴリーにはオーストラリアが、Bにはフィンランド、カナダ、シンガポール、ドイツ、スイスといった国が入っている。Aランクの2カ国、オランダとデンマークは3項目すべてにおいて高得点を獲得しており、十分な給付と持続性を両立している。OECD(経済協力開発機構)が調査した年金の所得代替率(現役世代の年収の何%を年金としてもらえるか)の比較調査でも、両国はトップクラスだったので、給付水準は本当に高いと考えてよい。少なくともこのランキングを見る限り、給付水準と持続性の両立は可能ということになる。

給付が低水準でも高齢者の生活水準が高いドイツ

 もっとも、年金制度は各国によって異なるため、一律の比較が難しいのも事実である。例えば、オランダやデンマークは、公的年金に加えて義務的な私的年金もあり、事実上の公的年金の一部を形成していることから、日本と比較すると年金が手厚くなる。両国の所得代替率が極めて高いことにも、こうした事情が関係していると考えられる。

 一方ドイツは、私的年金は義務付けられておらず、賦課方式の公的年金をベースにするという点では日本とよく似ている。ドイツの所得代替率は38.2%と日本よりは高いものの、他の欧州各国と比較すると低い。

 また、この調査では家計収入や資産の保有状況なども考慮しているので、単純に年金制度だけを比較したものではない点にも注意が必要である。年金の給付水準が低くても、経済が豊かで家計の貯蓄や資産額が大きい国は「十分性」が高いと判定される。

 たとえば今回のランキングでドイツの十分性は高い順位となっているが、この項目は賃金や貯蓄など家計の経済力を総合したものである。日本と比べて圧倒的に豊かなドイツの場合、年金の給付が低水準であっても、現実の高齢者の生活水準は高いので、ランキングも上位になる。